人を、想う。
処暑を過ぎ、朝晩はめっきり秋めいてきました。
今年の九月は数年ぶりに”秋”を感じられる気温で、大変喜ばしいです。
その一方、ゲリラ豪雨と洪水、台風の接近と通過、大型地震の被害・・・と、自然災害も相次いでいます。
我々も自然の一部であります。謙虚に、正しく畏れ、備える事。被災した地域と手を取り合い復旧復興に努める事。少しでも早く日常が戻るよう祈らずにはおれません。

さて、世はすでに食傷気味のAIブーム嵐が吹き荒れています。
猫も杓子もAIを相談相手に、次の角を右に曲がるか左に曲がるかすらも手元のチャッピーに判断を仰ぐという・・・
ウソか真かもわからないネタが巷に溢れる中で、
かつての同僚からこんな質問が飛び出しました。
「機械設計者の作図作業って、AIがやってくれないの?」

そうですよね。生成AIが短編映画まで作ってくれる時代です。
だのに未だなお、シコシコとバラシ作業に従事する機械屋さん・・・。
バラシ作業とは、組立図や3Dモデルを基に、部品図を作図する作業のことです。
私の結論は、以下の通り。
「バラシ作業は、AIが代替できる作業ではない」
確かに、3Dモデルがあれば、その通りに立体出力できる時代にはなりました。
例えば、ミスミmeviy(メビー)などは、象徴的な存在と言えましょう。
https://meviy.misumi-ec.com/ja-jp/pages/dx/login/
ここで、現時点での「次元を跨ぐ」自動化サービスを俯瞰した時の私の印象です。
・3D→3D:ホビーから実務レベルまで、サービス充実している
・2D→3D:発展途上だが、良い線まで来てる。出力された3Dを手直しする前提では実用レベルにある。
・3D→2D:お絵描きレベル
そうなんです。
バラシ作業=3D→2D作業は、お絵描きレベルなのです。そしてこの評価は当分変わらないでしょう。
なぜか。
「バラシ作業って、単純作業でしょ? 物の形状を三角法で投影して寸法を描きこむだけだよね?いかにもAIが得意そうじゃん」
そう思った方は、作図者であり、機械設計者ではない、と言うことです。
詳しくはこちらの記事に…
機械設計者は作図をする際、作図対象物が、
どのように使われるか、どのように加工されるべきか、常に考えながら線を引きます。
使う人、作る人を常に考えながら線を引いています。
すなわち、人を想う作業と言えます。

これは、AIには出来ない作業です。
AIは決まったルールに則り、最もらしい答えを持ってくることしかできません。
所詮は便利な道具の一つであり、ゼロからイチを生み出すことは出来ないのです。

作図作業とは、ゼロからイチを生み出す作業の一つです。
己の考え・知識・経験を、相手に伝わるように図面に落とし込み、表現する作業なのだから。
もしAIに取って代わられる図面を描いているとしたら、それは”図面”ではなく”図”であり、ただのお絵描きです。
今こそ、設計の本質を見つめ直す、良い機会と言えましょう。
日々是精進。ですね。
