海外で、働く。中国編④言葉
今回、中国語の事前学習ゼロで渡航しました。
北京五輪の頃に現地で観戦したい熱が高まり(笑)少しだけ齧ったのですが、この時は結局渡航せず仕舞い。
まさか言葉が通じない(話せない&理解できない)国に、長期滞在して働く日が来ようとは!
当時の自分には全く想像のつかない経験をしています。

さて、渡航前には私専用の通訳が付くと聞かされて現地へ渡りました、
ところがいざ蓋をを開けてみると。
通訳はおらず、代わりに渡されたのが翻訳機(iFLYTEK、流通価格5000元位?)
AI搭載の最新機種だから、何も心配いらないよ!通訳雇うより安いよ!とボス。
いやいやご冗談を。そもそも話が違うじゃん!・・・等という正論は、ここでは全く通用しません。
とにかく、一日でも早く生き抜く術を身に付ける必要がある。
郷に入りては郷に従え・・・、思考回路を現地モードに切り替えていくしかありません。
かくして”中国語漬け”の世界にどっぷり浸かることに。
仕事中はもちろん、普段の生活においても中国語のみ。英語が通じる人は、東莞市の私の住む区域には皆無。
日本食料理屋に行くと、英語ではなく片言日本語が通じはしますが、真意が伝わっているかは甚だ怪しい。

当然ながら、TVに映る番組も中国語オンリー。
毎天、CCTV総合1chのニュースと、CCTV5の体育チャンネルでCBAを、休日はグルメ番組と子供番組を見ました。さっぱりわからない。
リアルなピンインに耳を慣れさせると同時に、語彙も増やさなければ。
語学アプリ「Duolingo」を朝晩30分やることにしました。
・コミュニケーションとは曖昧なものである、という大原則、
・「言語はツールである」ことの再認識、
・「伝える」と「伝わる」の違い、、
などなど、コミュニケーションにまつわるキーフレーズが浮かんでは消えていく、
成果の無い日々が続く。

変化が現れたのは4ヶ月目位でしょうか。
マシンガントークの中から、耳に残る単語がポツポツ出てくるように。
音と単語が結びつく瞬間・・・!
まさに赤ちゃんが言語習得していく道筋そのものなのではなかろうか(笑)
数字、食べ物、仕事で良く出る単語、が拾えるように。

次は発音です。
Duolingo、日本で使うときは発話の練習が出来るのに、なぜか中国大陸ではその機能が無い。今こそ必要なのに!
そこで大いに活躍したのが、冒頭のAI搭載翻訳機。
ただ、この翻訳機にも得意分野があることがわかり(技術用語は全然ダメ、方言やスラングも×)、
そこからはHuaweiスマホ標準搭載の翻訳AIアプリを練習相手にしました。
尚、Google先生は生身では動けません…

5ヶ月目くらいから、飲食店で発話オーダーが通るようになってきました。
はい、感動!
良く行くコンビニ(便利店・美宜佳 メイジヤ)の旦那さんや奥さんとも、なんとなくの会話が出来るように。
「こんにちは、いつもの水を二瓶ちょうだい」
「はいはい、40元ね。部屋まで配達するか?」
「いらない。私、自分で運ぶよ」
「そうかい。若いと力があっていいね」
「そうそう、筋トレだよ。はい、おかね」(WeChatのバーコードを見せる)
「はいはい、ありがとう」
「じゃ、私、行くね」
「はいはい、次はビールも買ってね」
「わかった。バイバイ」
超絶感動!(二回目)
正直なところ、リアルタイムで全ての単語は拾えていません。が、
キーワードが聞こえると、遅れて前後が浮かび上がってくる感じ。
中国の人たちは、デフォで超絶マシンガントークなので、会話スピードが全く合わない。
お相手が合わせてくれて、初めて成り立つやり取りです。きっと2歳児に話し掛けてるような感じでしょうね。
それでもうれしい。
翻訳ツールを通さずに、ちょっぴりでも意思疎通が出来たことが、うれしい。
世間話に飢えていたんだなーってしみじみ思いました。

結論。
中国語ズブの素人でも、5ヶ月間揉まれ続ければ、ごはんを注文出来るようになる(笑)
これを日常会話ができるレベルに、さらには仕事会話も出来るように・・・
うーん、気が遠くなりますね…。
何事も千里の道も一歩から。継続します。

最後に、中国人のメンタリティを端的にまとめている動画を発見しました。
誇張ではなく、この先生の言う通りです笑
世界は広いなぁと実感できます。
「みんな違って、みんないい。」
このことばの真意は、
「お互いの違いを認識した上で、相手の文化・習慣・バックグラウンドを尊重し、不干渉であること。」
これは、国際人が備えるべき最低限のマナーと言えましょう。
訪問先の国で自国のルールを押し付けたり、思い通りにならないからと傍若無人な振る舞いをしたり。
もはや駄々っ子。何の意味があるのでしょう。
裸の王様になっていることを自覚すべきです。
世界史解体新書