キャリア面談の現場から。
「あらたな気持ちで、一兵卒からスタートしたいと思います」
ベテランの方で、特にマネジメント職に就いていた方から、よく聞くフレーズです。
セカンドキャリアとして、現場の第一線に戻りたいと。
適職探しのためのヒアリングを始めます。
「これまで、どのような業務に携わっておられましたか」
「部長です」
「部長さん、ですか」
「はい、部長です」
キャリア面談あるあるですが、このやりとり、かなりの頻度で発生します。
大きい企業に長くお勤めの方ほど、この発言が出がちです。
部長は役職・役割であって、業務ではないんですね。
定められた組織ピラミッドの中で、
割り当てられた役割を、
然るべき手順で遂行していく。
確立したマネジメントシステムの中で、
純粋に「部長職を全うする」こと自体には、クリエイティブさは不要です。
実態としては、保守保全業務に近い。
ですので、「20年、部長を務めてきました」だけでは、
現場の一線に復帰するのは極めて難しい、というのが実情です。
部長職が、経営と現場のちょうど中間点の役職というのも、転職時のつまづきポイントと言えるでしょう。
キャリア面談の中では、その方が行ってきた「部長職」を具体的に掘り下げ、
キャリア市場で引っ掛かる”経験キーワード”を引き出していきます。
一言に「部長」と言っても、その内容は、企業により異なるものです。
これも一社に留まっていると、意外と気付かない事実です。
壁打ちを通じて、ご自身の強み・武器・市場価値を再認識してもらう工程です。
はたらくみなさんが、充実したセカンドキャリアを築いていけることを願っています。