始まりは突然に。第二幕
見慣れない番号から着信履歴。
掛け直してみると、件のお宅のご主人でした。
「坂本と申します。この度はお騒がせして申し訳ありません」
「いえいえこちらこそ。お身体は大丈夫ですか
「はい、幸い何ともありませんでした」
「それは良かったです…。 あの、書き置き拝見しました」
「恐れ入ります。修繕を、どのように進めたものかと相談したくて」
「そうですね…、 もし坂本さんに伝手があれば、自由に進めてもらって構いませんが」
「はい、ありがとうございます。
しかしながらそちら方面には、あいにく伝手がありませんで…」
「なるほど…、わかりました。
では私の知人に頼んでも良いですか。
現場を見てもらって、見積が出た頃に坂本さんと繋ぎますので、そこから先はお願いする。
いかがでしょう?」
「ありがとうございます。ぜひ!」
「承知しました。ではその方向で進めますね。
また連絡します。」
ガチャリ。
良かった。当日の直感は正しかった。
電話口から良い氣が伝わってきました。
始終テンポのよい会話が出来て、なんだか元気が湧いちゃいました(笑)
ポイントは、テンポの良さ ですね。
あ と言えば うん
つう と言えば かあ
電話越しの初対面でも、あたかも筋書きがあるかのように、トントンと進んでいく。
同じ温度感、波長が合うからこそ成せる業です。
このところ、波長が揃わない人との会話が多かったから、一層気持ちよかったのかもしれない。
助かりました。
物語は、次幕へ続きます。