設計者のキャリアとは。

ここ最近、機械設計者のキャリアについて立て続けに相談を受けています。
世の中の認識を改める上で(大袈裟)も、一旦整理しておきます。


そもそも、設計者のキャリアってどんなものか。

これはどんな職種でも同様ですが、
スタートは入門者、初級者、中級者、上級者、の4段階で考えることにします。

設計業務への従事期間、いわゆる経験年数で区切るなら
・入門者…0〜1年目
・初級者…2〜5年目
・中級者…6〜10年目
・上級者…それ以上
というイメージでしょうか。


ところが、ここに大きな落とし穴があります。
経験年数が目安に出来るのは、ルールが決まっていて、その通りに業務を行えば良い職種、いわゆる工数換算出来る職種に限られます。
例えば、3Dモデラー、製図トレーサー、回路設計者、コーディング、組立実務、検査実務等ですね。
1日の仕事量が決まっていて、これに対する成果も明らか。わかりやすい。



一方、経験年数では測れない職種もあります。
端的に「頭を使う職種」です。
ゼロからイチを生む職種です。
手や身体を動かす運動量と成果物が全く比例しない職種、要件定義や仕様策定、構想コンセプト設計がコレに該当します。成果物は工数では測れない。


で、機械設計者の仕事は、電気や制御・ITと比べて、工数で測れない領域が広範囲なのです。
他分野よりも設計フェーズ毎の境界線が曖昧とも言えます。

一見すると工数仕事の製図でも、
ただのお絵描きか、図面を描くか、で大きな違いがある。
機械設計者なら当然図面を描くべきなのに、お絵描き止まりのエンジニアが大勢います。それも、無自覚に。

次回へ続けます。

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