君たちはどう生きるか。をどう見るか。
たまにはエンジニアっぽく、結論から入りましょう。
Don't think, feel.
考えるな、感じろ。
これに尽きます。
https://www.ghibli.jp/info/013702/
実は、公開初日に鑑賞してました。
私、映画を観る時は事前情報などは全く興味がない質で、
映画館に到着して、当日の上映作品の中から興味が沸いた作品をランダムに観ることにしています。
7/14に最も目を惹いた、むしろ呼ばれた作品が、この作品でした。
同日の洋画も邦画もなんかイマイチなラインナップで、SLAM DUNKかコナンかな…って位に、覇気のない選択の仕方で(笑)
気合い満々の皆さん、なんかごめんなさい。
はい、ここから本題です。(ネタバレありません)
この作品は、スッキリしません。何も解決しません。
所謂、白黒はっきり的な、勧善懲悪的な、そういうストーリーを求めてる向きには、全く向かない作品と言えます。
現代人のデジタルに依存しきった脳みそには、刺激が強すぎる、と言えましょうか。
作品冒頭はジブリテイストの歴史物かなーという感じで油断させておいて(笑)、ふと気付くと
真綿を締めるやうに、作品が問いかけてくる。
君たちはどう生きるか。
というよりも、
君はどう生きてきたか?
を、登場人物を通して問うてくる。
取り繕うことなく、容赦なく。
そこに視聴者のアレルギー反応が出てるのかな、と観察してます。
君はどう生きてきたか?
その生きてきた結果を受けて「いま」があり、
そして「この先」を、どう生きるか。
主人公格のマヒト少年を中心に、彼を取り巻く人物たちが、各々の事情を抱えて、それぞれに解決しようと関係を作ろうと模索しながら行動するが、うまく行かない。
やがて行き詰まる。
観ているこちらは、息詰まる(笑)
スッキリしない。
このスッキリしなさはなんだろう…?
あ、わかった。自分ちとおんなじやん。
いや、なんで?
せっかくお金払って観に来てるのに、スッキリしない上に、むしろ他人に触れられたくない自分ちのドロドロの家族事情をスクリーンに投射して見せられなアカンの?
…で、非難轟々。
のちに賛否両論が渦巻き、皮切りから一月たった今も話題を攫っとるわけですな。素晴らしい。
上映後、近くに座ってた女子高生が漏らした感想
「宮崎駿は鬱なの?」
ある種、的を射ているなぁと感心しました。
再三述べている通り、令和はアナログの時代です。
デジタル処理はAIがやってくれる、人間はアナログの感性を磨くべし、と。
白か黒か、ではない。
白も黒も、グレーもピンクも曖昧に受け容れられるのが、私たち人間の、機械にはない特性であり「らしさ」のはず。
君たちはどう生きるか。は、これを問うている作品だと思います。
私は好きな一本です。